アサヒ飲料と伊藤園の自動販売機間で商品交流

はじめに

アサヒ飲料の自動販売機では、同業他社との商品提携が続いています。
つい先日、アサヒ飲料の自動販売機で、ダイドーの缶コーヒーが購入できるようになることは記事にしたとおりですが、今度は伊藤園との商品交流がプレスリリースされました。

アサヒの自動販売機でダイドーの缶コーヒーが買えるようになります

2019年2月19日

アサヒ飲料から伊藤園の自動販売機に提供される商品は、「ウィルキンソン タンサンPET500ml」です。
一方、伊藤園からアサヒ飲料に提供される商品は、「お~いお茶 緑茶PET500ml」となります。

いずれも2019年4月中旬から順次展開が始まるそうです。

背景

目的は国内市場の縮小懸念、コスト削減です。
商品交流を通じて飲料事業の拡大と飲料業界の健全な発展につながるように、とのことです。

アサヒにとっては、ダイドーと缶コーヒーの商品交流を始めるという報道から間もない相次ぐ他社交流となります。

そもそもアサヒ飲料にとっては、緑茶と缶コーヒーが競合に比べ商品力の弱点とされています。
この商品交流によって、アサヒ飲料としては、アサヒ飲料の自動販売機の商品力を高め、シェア拡大を狙いたいといったところでしょう。
伊藤園にとっても、炭酸水売上No.1であるアサヒ飲料のウィルキンソンを取り込むことで、伊藤園の自動販売機の魅力を高める狙いがあるのでしょうね。

商品力について

そもそもアサヒ飲料の緑茶と言えば何であるか、わかる方はどれくらいいますでしょうか。
回答を先に示せば、アサヒ飲料の緑茶は「なだ万監修日本茶」になります。
アサヒ飲料のお茶は十六茶こそ有名ではありますが、緑茶となると伊藤園のおーいお茶やサントリーの伊右衛門に後塵を拝しており、残念ながら知名度はいまひとつです。
缶コーヒーについては、WANDAを展開し、北野武さんやAKB48など知名度の高いタレントを使ったCMを展開していました。
しかし、売上はコカ・コーラのジョージアやサントリーのBOSS等に劣っていたとされており、今回の商品交流で弱点補強を実現したことになります。

続いて伊藤園ですが、伊藤園の水…のミネラルウォーターはエビアンですからご存知の方は多いでしょうが、炭酸水は如何でしょうか。
そう…「磨かれて、澄みきった日本の炭酸水」ですね。
正直、知名度という点では厳しいと言わざるを得ず、炭酸水売上No.1のウィルキンソンを強化できたことは強いと思います。

今後について

アサヒ飲料と伊藤園に限らず、今後、自動販売機市場は日本の人口減少に伴い、ますますの市場縮小と淘汰が考えられます。
他メーカー同士の商品交流も順次発生し、しまいには独自商品のみの自動販売機は数が減っていくかもしれません。

消費者にとっては、1台の自動販売機での選択肢が増えありがたいばかりですが、飲料メーカーにとっては、市場縮小と競争による淘汰が迫っており、各社戦々恐々と次なる一手を模索しているのではないでしょうか。

自動販売機を設置するのであれば、販売手数料条件(マージン率)も重要ですが、そもそも売れる商品が取り揃えられた自動販売機であるかどうかが、自動販売機設置業者選びの最優先項目と言えそうです。