最近流行りの寄付型自動販売機とは

寄付型自動販売機とは

寄付型自動販売機とは、自動販売機で販売した清涼飲料水の売上を非営利団体等に寄付をすることが出来る仕組みの自動販売機のことです。
寄付型自動販売機でジュースを買うと、その売上の一部が自動的に寄付金になるのです。
ジュースを買うという行為、そして自動販売機を設置するという行為が社会貢献活動になるため、消費者にとっても、設置者にとっても簡単に社会貢献活動に参加することが可能となります。

寄付型自動販売機の仕組みは、企業などを中心として社会貢献活動に注目が集まっている昨今において、自動販売機という身近なインフラを活用して寄付ができる画期的なものです。
一般に「寄付」というと、売上に余裕があったり、規模の大きい会社であったりが取り組むことで、中小企業等にとっては、社会貢献の気持ちはあってもなかなか手が出せない敷居の高い慈善活動という印象があります。

しかし、寄付型自動販売機は、街中やロードサイドで見かける自動販売機をベースとした取り組みであることから、企業規模にとらわれることなく、極端に言えば、一個人でも取り組むことができる身近で手軽な社会貢献活動と言えます。
社会貢献活動への参加に対するハードルを下げたことも、寄付型自動販売機の特徴であり、社会的意義のあるスキームと言えるでしょう。

どんな寄付型自動販売機があるの?

寄付型自動販売機というキーワードこそ、まだ社会的に知られていないかもしれませんが、世の中には数多くの寄付型自動販売機が既に稼働しています。
ここでは、数ある中でも著名な寄付型自動販売機を紹介したいと思います。

ピンクリボン自動販売機

ピンクリボン自動販売機は、ほほえみ基金に寄付ができる自動販売機です。
ほほえみ基金とは、乳がんに関する基金で、公益財団法人日本対がん協会が、2003年4月にピンクリボン活動など乳がん征圧のために設けた基金です。
寄付されたお金は、がんで悲しむ女性を一人でも減らすための活動に使われ、乳がん検診の受診による乳がんの早期発見の啓発、乳がん患者の支援、患者会の活動助成、乳がん検診機器整備等への助成、乳がん検診従事者や専門家の育成に活用されます。

ピンクリボンの優しいデザインに包まれた自動販売機で、普及台数も多いことからどこかで見かけたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、女性に対する事業や支援に興味のある企業等が導入するのに向いているようです。

ピンクリボン自動販売機は、公益財団法人日本対がん協会が問合せ窓口となっていますので、検討される場合は公益財団法人日本対がん協会のホームページを閲覧されると良いでしょう。

赤い羽根共同募金自動販売機

日本国民におなじみの赤い羽根共同募金に寄付ができる自動販売機です。
共同募金は、戦後間もない昭和22年に、市民が主体の民間運動としてスタート。
当初は、戦後復興の一助として、被災した福祉施設を中心に支援が行われ、その後、現在社会福祉法に基づき、地域福祉の推進のために活用されてきました。
社会の変化のなか、共同募金は、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する、「じぶんの町を良くするしくみ。」として、取り組まれています。

赤い羽根共同募金自動販売機を通じて発生した寄付金は、地域の福祉活動や災害時のボランティア活動の財源として役立てられることになります。

窓口は、各都道府県の社会福祉協議会です。
設置を検討される場合は、インターネットの検索で「都道府県名 赤い羽根共同募金自動販売機」で探すことで、ご自身が寄付されたい都道府県の社会福祉協議会を探せます。
また、認定非営利活動法人ハートフル福祉募金でも赤い羽根共同募金に寄付ができるハートフルベンダーを取り扱っています。

よく知られた赤い羽根共同募金であるがゆえ、寄付型自動販売機としての設置台数も多いようです。

子供の未来応援基金自動販売機

子供の未来基金自動販売機は、内閣府、厚生労働省ならびに文部科学省が府省をあげて取り組む寄付型自動販売機です。
そもそも、「子供の未来応援基金」とは、国民の力を結集して、社会全体で子どもの貧困対策に取り組み、貧困の連鎖を解消するとともに、積極的に人材を育成していくための仕組みです。

この基金に寄付をすることが出来る寄付型自動販売機が、子供の未来応援基金自動販売機です。
ミッフィーの作者で知られる絵本作家ディック・ブルーナによるとてもかわいらしいイラストが人気を博しています。
なお、寄付金が、売上1本につき10円固定となっている点に留意が必要です。

子供の未来応援基金自動販売機の窓口は、内閣府から指定を受けた特定非営利活動法人寄付型自動販売機普及協会です。

トビタテ留学JAPAN!寄付型自動販売機

トビタテ留学JAPAN!寄付型自動販売機は、文部科学省が展開する日本の若者の海外留学への気運を醸成する官民協働の留学促進キャンペーンである「トビタテ留学JAPAN!」への寄付型自動販売機です。
寄付金は、日本の若者たちが海外留学をするための奨学金として活用されることになります。

自動販売機による寄付金は、2018年秋ころから開始され、第一号機は東京海洋大学に設置となり、設置記念式典では浮島智子文部科学副大臣が参列もされたそうです。

東京海洋大学のホームページより抜粋)

トビタテ留学JAPAN!寄付型自動販売機についても、特定非営利活動法人寄付型自動販売機普及協会が文部科学省から指定を受け窓口になっています。

特定非営利活動法人寄付型自動販売機普及協会とは

子供の未来応援基金自動販売機やトビタテ留学JAPAN!寄付型自動販売機といった官制プロジェクトの事務局を請負っている寄付型自動販売機普及協会とはどのような団体なのでしょうか。

寄付型自動販売機普及協会のホームページによると、寄付型自動販売機の普及・啓発および推進ならびに寄付型自動販売機の維持・管理のための支援を事業として行っている特定非営利活動法人です。
寄付の受け皿となる団体と自動販売機設置会社、そして設置オーナーの3者を取り持つ役割を業としています。
寄付の受け皿となる団体には、寄付型自動販売機を通じて活動資金充実のお手伝いを、設置オーナーに対しては自動販売機を活用した社会貢献に関する相談と設置会社の手配をしてくれます。

子供の未来応援基金やトビタテ留学JAPAN!のほかにも、国境なき医師団、日本国際飢餓対策機構、プラン・インターナショナル、難民支援協会をはじめ著名な非営利団体向けの寄付型自動販売機を複数取り扱っているようです。